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背景​

現在、世界的にカツオを食べる人が増えており、いくつかの国による乱獲がヒートアップしています。

その結果、南太平洋から日本近海へと回遊してくるカツオが減少し、不漁に陥っています。

特に、鰹節メーカーなどの加工業界にとっては深刻です。

 

​こうした状況の中、パナマ近海には非常に豊富なカツオ資源が存在しています。

パナマ人はカツオを好んで食べないため、たくさんいるにも関わらず漁のターゲットにしないからです。

漁師たちは他の魚を狙って網を張り、欲しくないのにカツオが獲れてしまうという有様です。

​このカツオを確保し、必要とする人々に届けることが、本プロジェクトの大きな意義となっています。

カツオ01.jpg
タタキ.jpg

事業概要

 

本プロジェクトは、パナマの漁師たちからカツオを買い取り、日本やタイ、エクアドルなどの消費国へ輸出します。​

パナマ沿岸全体に存在する零細漁師たちから、安定的にカツオを買い取ります。

彼らの小さなボートでも(2隻体制)一度に1 t 前後は獲ることができます。

今回参加している漁師グループは約15組の漁船を持っているので、週平均4回漁に出ると

1 t X 15組 X 4回 X 4週 = 240 t /月

ほどが見込めます。

さらに他の漁村なども参加させたり、効率的な漁船を配備したりすれば、収量を倍増させることは難しくありません。

カツオは禁漁期がなく1年中獲ることができるので、年間4.000 t 以上の水揚げ量が可能だと見ています。

 

冷凍カツオの国際相場価格1600ドル/t で売上額を計算すると、6.400.000ドル/約7億円となります。

カツオ資源は豊富にあるので、2~30 t レベルの漁船を2隻でも購入すれば、地元の零細漁師たちの水揚げ量を倍増する

ことができます。

冷凍機プラント、輸送体制、そして漁船導入などを整備できれば、年間8.000 t 以上のカツオを輸出することが可能で、バンコック国際相場(2018.12月現在)のトン当たり1.600ドルで概算しても1千2百万ドル(約14億円)の年間取扱規模

となります。

パナマ漁師.png

輸出先候補

パナマ産カツオの輸出先としては、日本、エクアドル、タイ、ブラジルなどが考えられます。

タイ   ・・・ タイ王室のビジネスである世界最大のツナ缶産業があり、世界中から原料の冷凍マグロ・カツオが集まっています。国際相場もここで決まります。

エクアドル・・・ タイに続く世界第二位のツナ缶生産エリアがあります。スペイン資本のカツオマグロ会社は4000トン級の船でパナマ沖で大規模な巻き網漁の操業をしており、ここはタイの国際相場で冷凍カツオを買い取っています。

日本   ・・・ 日本では日本近海で穫れるカツオは全水揚げ量の3割ほどで、残りの7割は遠洋で獲っています。500トンクラスのカツオ船が赤道近くの南洋まで漁に行き、50日位の操業で約7千万円の高いコストがかかっています。

その上、水揚げが少なく厳しい時もあるため、カツオ資源の海外への依存度は高いです。

ツナ缶.jpg
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パナマ人とパートナーを組み事業を展開

 

パナマはナショナリズムが強い国で、外国人が彼らの近海で漁をすることは難しくなっています。

本プロジェクトではパナマ人漁師とパートナーシップを組み、彼らに道具を与えて訓練し、

安定的なカツオの漁獲を確保します。

 

彼らが獲ったカツオを冷凍して日本へ送れば、日本人が直接漁をするよりは、設備投資も人件費もずっと安く済みます。

その上で、日本での製品化加工を国際的に展開していけば、効率的な拡張が可能だと考えています。

 

また、パナマに日パ合弁会社の工場を作り、漁をパナマ人が、製品加工を日本人が担当し、

カツオの加工食品を世界中に流通させていく予定です。

さらに、となりのコスタリカに同様のシステムを設置し、カツオを集めることも視野に入れています。

まき網漁.jpg

現在パナマで一般的に行われているのは、

2隻の船によるまき網漁です。

周囲を囲い込むように網を張り、

魚を群れごと漁獲します。

沿岸部の零細漁師たちはこれをボートで行うので、

積める分しか獲ることができません。

 

より多くの魚を積むことができる大きな船を

用意すれば、漁の効率は格段に上がります。

カツオの種類について

 

カツオには、日本で見られるものも含めていくつかの種類があります。

以下に代表的なものを紹介します。

パナマで獲れるものは主に、ホンガツオBlack Skipjack Tunaです。

当プロジェクトではまず、日本で一般的に認知されているホンガツオを漁獲・輸出していく計画です。

ホンガツオ.jpg

呼名:カツオ(ホンガツオ)

Striped tuna, Skipjack tuna

​学名:Katsuwonus pelamis

我々日本人が一般的にカツオと呼んでいるのはこの種。​

出回っているものは体長40cmほど。

大型のものは体長1m、20kgに達する。

死後、腹側に縦縞が現れる。

世界中の熱帯・温帯海域に生息。

​日本近海にも。

また、パナマ近海で何千トン単位で獲れる。

BlackSkipJackTuna0.jpg

呼名:Black Skipjack Tuna

​学名:Euthynnus lineatus

体長40~90cmほどになる。

背中に3~5本の縦縞がある。

胸鰭の下に斑点がある。

サバやスズキと共に獲れる。

パナマ沿岸部で多数見られる。

日本では見かけないが、脂が少なく旨味の濃い赤味で非常に美味しい。

 

↓ 以下は本プロジェクトの対象ではありませんが、参考までにご紹介します ↓

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呼名:Pacific Bonito

​学名:Sarda lineolata

体長は1m、体重11kgほどになる。

背中に縦縞がある。

バンクーバー~メキシコの沖合に生息。

スポーツフィッシングの対象にされる。

ヒラソウダ.jpg

呼名:ヒラソウダ

Frigate tuna

​学名:Auxis thazard thazard

漁獲されるものは40cmほど。

背中に渦のような模様がある。

マルソウダより体高がある(正面から見ると平たい)。

沿岸の表層を回遊。全世界の熱帯から温帯に棲息する。日本近海にも。

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呼名:マルソウダ

Bullet Tuna

​学名:Auxis rochei rochei

漁獲されるものは40cmほど。

背中に渦のような模様がある。

ヒラソウダより体高がない(正面から見ると丸い)。

沿岸表層群遊性。東太平洋を除く世界中の温帯・

熱帯域。日本近海にも。

ハガツオ.jpg

呼名:ハガツオ、キツネガツオ、Striped bonito,Bonite oriental,Bonito mono

​学名:Sarda orientalis

成魚は体長60cmほど。

まれに1mに達する大型個体もいる。

背中に縦縞がある。鋭い歯を持つ。

沿岸の表層を群れて回遊。朝鮮半島南・西岸、

インド洋・西太平洋域。日本近海にも。

スマガツオ.jpg

呼名:スマ、ホシガツオ

Wavyback skipjack,

Eastern little tuna

​学名:Euthynnus affinis

成魚は体長1m、10kgを超える。

日本で見られるのは50-60cmほど。

背中に斜めの縞、胸鰭の下に数個の斑点がある。

インド・太平洋の温帯・熱帯域。​日本近海にも。

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